2014年8月14日木曜日

嵐の前に

気になっている川があり様子を見に。

いつも春に一度だけ行っていたがこの時期はどうなのかと。

現地に着くと風が強い。そういえば最近天気予報を見ていないことに気づく。すぐに天気をチェックすると台風の影響が…

とりあえず釣りにはなるので天気が崩れるまで川を歩く。

春先に綺麗な魚がでていた岩盤スリットの続く区間に行ってみるも、水温のせいかカワムツばかり。

少し上流に入渓すると、そこはあまり変化の無い水深の浅い区間。しかし、少し水も冷たく感じられ、小型ながら本命のチェイスも出てきたので遡行を続けると、少しづつではあるが魚が着きそうな小場所が現れ始める。
やっと少し水深のある流れの効いた場所に差し掛かり、狙い通りの場所から魚が飛び出した!

ヒレピンの綺麗な魚体のヤマメ!

この後も数本同じサイズが出て、風が強まってきたため退渓。

もしかしたら、谷で風を避けられるかもと、山を越える。

辿り着いた頃にはこの有様。
雨が酷過ぎて前が見えない…

雨が止んでも、こういったシチュエーションでは鉄砲水などのリスクが付きまとう。

リスクマネジメントも滅多に人の行かないような場所で行うこの釣りでは、かなり重要なことであると自分は思っている。

増水した川は、いとも簡単に人を飲み込んでしまう。

無理は禁物。

結構な遠回をしていたが、大人しく家路に着いた。

夏草を掻き分けて

連日気温が30度を越える日々が続く中、H氏からのお誘いで、春先から良いヤマメが出ている川へ。

話には聞いていたが、今年は別の目標があったので、いい時期も一度も足を運ばなかったので自分には全くの初見の川である。

久しぶりの早朝の里川。朝露を纏った草の薫りが清々しい。

ここぞという場所に交互にキャストを繰り返すが、たまに何かにつつかれる位の反応がしばらく続き、遡行できない水深のある大場所に辿り着く。

交互に打っていき、自分の番。

まずは表層をピッチを変えて打つが反応がない。

でも絶対ここにはいるだろうと思い、レンジとヒラ打ちのピッチを変えると反転する魚の煌めきが!

ロッド全体が大きく曲がり、魚は右に左に良い走りを見せてくれた。

やりとりのなかで、フックアウトするかもという場面が何度かあったが、グラスロッドとナイロンラインの組み合わせに助けられ、最後は安心してネットイン!

淡いピンクの良いサイズ!

水温が高いせいか寄生虫にやられた痕が少々。

濃い黄色の胸鰭が、まるで向日葵の花弁を憶わせる。



良い魚も出たので、この区間を遡行していったが新子サイズが釣れ続き、大きく場所移動。

下流の方に移動するもカワムツの猛襲。そして退渓点を見失い、大藪をひたすら藪漕ぎ!久しぶりに冒険心をくすぐる良い藪漕ぎだった!

大移動し川を変えるも、なかなか魚からのコンタクトは無く、今後雨が降ることを期待しつつ、日照り続きの渓を後にし、帰路に着いた。

源流探検

掛けても取れないこと続きだった、太田川の40アマゴに狙いを定めた今年の本流シーズンに、梅雨明けを機にピリオドを打った。

そろそろ渓流に入ろうか…

どこに?…

いつも通り、大型のヤマメが出る川にするか…

広島に来て3シーズン目…

せっかく瀬戸内側に居るのだから、そろそろ渓流のアマゴを狙っての釣行を増やしたい。

そして前回の岐阜遠征で、関東在住時の源流釣行の楽しさが蘇り、中国山地の谷を歩きた
くなっている自分が居た。

そんな時、古い記憶が脳裏をよぎる。

10代前半まで冬のスキーシーズンになると毎週広島県内のスキー場に連れて来られていた。スキー場へと続く山道の側には良い渓流があり、道中いつもこの川で釣りがしたいと思っていた。春スキーのシーズンなんて川が気になりすぎて、正直スキーなんてどうでもよかった程だった。

しかし、広島に来てからというもの、その渓に足が向くことは無かった。というより無意識に避けていたのかもしれない。

そんな思いもあり、太田川の源流域へ。

激戦区とは聞いていたが、入渓点にはどこもSUVが止まっていてなかなか入る場所が決まらない。

それでもなんとか林道の脇に車を停め、傾斜のきつい所から入渓することが出来た。

川に降り立つと、そこには大岩がごろごろ転がり、透き通った水の流れる美しい渓が広がっていた。

この日はまだ誰も入っていなかったようで、すぐに魚からのコンタクトがありネットに収めることが出来た。
幼い顔のゴギ。

小さくても、その美しさは谷の宝石。

そっと流れに戻し、さらに上流を目指す。
さすがの激戦区とあって、メインストリームからは幼魚ばかりで、まともなサイズは出てこない。

そこで、見落としがちの小場所を打っていくと、ようやく成魚が顔を出してくれた。


胸びれの縁取りに体側の美しい白班、やはりゴギは美しい。

撮影中ふと視点を変えると、弱々しく草に掴まっているゲンジボタルが。

もうそんな季節か…

空を見上げれば黒い雲。

消え行く蛍の命と、今にも降り出しそうなゲリラ豪雨に、本格的な夏な始まりを感じた一日であった。